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2/5~8は、萩原としこフェルトの世界
今季一番の冷え込みと言われている芦屋ですが、colléでは折良く、寒いときにこそご覧いただきたい展示会が開かれています。
萩原としこフェルトの世界
2/5(水)〜8(土)11:00〜18:00
※初日は13時から、最終日は17時まで
京都は京北という山の中で活動されている、萩原としこさん。
その作品を実際に見て、触って、体感できる個展です。
萩原さんは今年80歳になられる、ベテラン作家さん。
帽子を中心としたその作品は、瑞々しい感性に溢れ、ユニークそのもの。
そして、ご自身もとっても素敵で、朝会場入りされたとき、まるで絵本の世界からいたずら好きの魔女が飛び出てきたかのような、チャーミングな出で立ちだったんです。
「これはきっと面白い方に違いない」と思って、お話を聞かせていただいたんですが、予想通りとても面白い方でした。
そのインタビューを、掲載します。
萩原:生まれは大阪心斎橋のど真ん中。アメリカ村や大丸が遊び場でした。だからか、子どもの頃からファッションには興味がありました。
collé:当時のアメ村は、VANの一号店があったり、最先端でしたよね。今は自然豊かな京北で活動とのことですが、どんな経緯があったんですか?
萩原:一番は結婚かしら。昔からものづくりが好きで、陶芸教室の先生だった萩原(アーティスト萩原草さん)と結婚したんです。
夫は芸術家肌で、自分のつくりたい物しかつくらない。後に鉄でも作品をつくるんだけど、彼の作品を展示するギャラリーカフェを京都の三条でやるんです。
萩原草さんの作品。会期中colléでもご覧いただけます
そこを11年ぐらいやって、だけど、もっと自分のやりたいことをしたいって、店を閉めて、トリミングサロンを下鴨で始めたの。
collé:え?ペットのですか?
萩原:そう。猛勉強して資格をとって。私本当に犬が大好きで、来たワンちゃんをどうやって可愛くしてあげようって考えるだけで、ワクワクしちゃう。
collé:天職ですね。
萩原:そうかも。だからお店もすごく繁盛した…んだけど、50歳ぐらいのときに、フェルトに出会ってしまった。
フェルトって、力仕事で大変なんだけど、感性でつくっていける楽しさがある。私はとにかくトリミングでもなんでも、自分の思うままに手を動かしてつくりあげていくタイプで、それがフェルトに、とりわけ帽子に合うのね。
本当言うと、フェルトでも売れ筋は無難なものだったりするんだけど、それじゃ面白くないのよ。だから、どんどん好き勝手につくっちゃう。
collé:それで、京北にはなぜ?
萩原:縁あって、山林の土地に出会って。夫が重機で切り株を抜くところから始めたの。
collé:開墾ですね!
草さんがつくり、お二人の作品も展示されているエルバ工房。
現在、民泊などもやっているそうです。
萩原:もう面白がって、私にはやらせてくれない(笑)。それで、鉄のアートもしてたから、自分で鉄で家を建てちゃったの!そしたら、弟子になりたいって人も来て。
遊びでピザ窯つくってたから、じゃあピザ屋をやろうなんてやったら、山の中に、行列までできるようになって。忙しすぎて2年でやめちゃった。
collé:自由過ぎますね(笑)
萩原:そんな風にやりたいことだけやって、気づいたら80歳。でも楽しくなくっちゃね。
せっかくの人生なんだから!
ご夫婦それぞれ、アーティストとして生きてこられた萩原夫婦。
一度、京北のエルバ工房に遊びに行きたい、と強く印象に残るインタビューでした。