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2021-10-16

フランス刺繍 奥純江さんインタビュー

現在開催中の「小柴俊夫 ステンドグラス展/奥純江 刺繍展」。
この展覧会の一翼を担うのが、フランス刺繍の奥純江さんです。
colléで長年大人気のイベント「グループはのん(以下、はのん)」の創立メンバーでもある奥さん。
実はこの「はのん」こそ、関西のアマチュア手芸作家のオールスターチームなのだとか。
その経緯も含めて、奥さんの手芸人生をお聞きしてきました。

刺繍を見て震え上がった

collé:奥さんの作品を見ると、技術の高さに圧倒されます。子どものころから手芸がお好きだったんですか?
奥:いえ、絵は好きでしたが、縫い物は大嫌いで、結婚するまで針を持ったこともなかったんです。
でも、結婚したら、姑が刺繍をやっててね。それがあんまり素敵で、私震え上がっちゃったの。
「私もやってみたい!」って。
それで子育てがひと段落したところで、姑に先生を紹介してもらって、弟子入りしたんです。

グループはのん結成秘話

collé:今の繊細な技術はどれぐらいで身についたんですか?
奥:10年は修行しました。
10年頑張って自信もついたころ、芦屋大丸が手づくり展の出品者を募集してたんです。
腕試しに応募したら、すぐに連絡があって、ぜひ出してくださいって。
小さな額や、ハンカチを出したら、飛ぶように売れたの。
それで気を良くしてまた別の百貨店に出したら、今度は1日で完売。
出せば売れるし、私の作品が好き、というお客様もついて、いろんな百貨店の手づくりイベントに出品するようになったんです。
そのうち、同じように手づくり展の常連になってる、腕自慢の人たちと仲良くなってね。
それで「はのん」ができたのよ。
collé:まるで七人の侍ですね。
毎回すごい行列ができる「はのん」さんの人気の秘密が分かりました。

刺繍は、よろこび

collé:奥さんにとって刺繍とはなんでしょう?
奥:私にとって、刺繍は仕事じゃなくて癒し。
針を持ってチクチクすることで、心が満たされるんです。
家事や他の用事をしているときは、こんなこと早く済ませて、一刻も早く刺繍をやりたいって思っちゃう。
冗談ではなく、寝るよりも好きなのよ。
collé:そんなに好きなものに出会えて、しかも結果できた物が皆さんに喜ばれるって、最高に幸せですね。
奥:本当にそう。
刺繍も好きだし、私の作品を喜んでくれるお客様がいることも、エネルギーになっています。
私、幸せ者ですね。